加盟店オーナーインタビュー

昭和49年に、足立区佐野のこの場所に食品スーパーを開店しました。ＬＰＧ(プロパンガス)の事業が本業ですが、近隣の住民から、食品を買えるまとまったスーパーが近所になく、駅まで行くのが大変なので、この地域で欲しいという声が上がり、私どもの社長が聞いて、この地で開業することになりました。商圏には昭和40年代、50年代にできた大きな団地があり、年齢層は若干高めです。そういったお客さまの場合、少量でも少し良いものを食べたいというニーズがあるので、店の品ぞろえとしても、おいしさや安全であること等、付加価値のある商品を選択肢として置くようにしています。

近隣には、ベルクス、ライフがあります。また、商圏的に八潮まで重なるので、カスミ、ヤオコーといった所が主たる競合店です。昔からあった地場スーパーは私ども以外には全てなくなったので、基本的には上場規模の会社と競合する形になっています。競合環境が全て大手企業になったことで、私どもは、NB商品の単価が高い状況に陥りがちになっていました。また、問屋の条件も出にくくなっている中で、私たちの強みをうまく生かしてくれる団体、組織はないかということで探した結果、地元で昔から知っていた全日食チェーンを検討することになりました。また、田中会長とは昔からのつながりがあり、お誘いを受けて入ることになりました。

確実に仕入価格の低減にはなっています。日配品を中心に原価の低減が図られて、それは非常に大きな強みだと思います。お客さまの支持率の高いNBのトップシェアの商品が、比較的お客さまの理解を得やすい価格になり、粗利に関しても率が取れるような形になりました。その前は、トップブランドの商品を売らずセカンドかサードの商品で価格を出すようにしていましたが、全日食に加盟して、いわゆる分類におけるトップ商品をより拡販できるようになりました。

最適売価の考え方は非常に助かっています。「これ以上安くしなくてもいい、これ以上高くするのもどうか」ということで、この売価はビッグデータから導き出されたものなので、私たちからすると一つの指針になります。今までは各担当のイメージで売価を付けているようなところがありましたが、一つ根拠があるものを出してもらえることで、売価設定が非常に楽になりました。

仕入では、小ロットで取ることによって、在庫の金額が安定するようになりました。

また、棚替えをしたときにいろいろ案を出してもらいましたが、棚を削ったほうがいいという提案があり、実際に削りました。そうすると、買い回りが良くなりました。

オーナーの考え方次第だと思います。会社が実現したいことがあって、それの補完として全日食に入ればより高みが目指せるというのであれば入ったほうがいいと思います。
ただ、全日食に入ったからといって商売が楽になるわけではなく、やはり自助努力だと思います。全日食は、私どもとすると、自由度が高いことがありがたいです。商品の政策とすれば、NB商品に関しては全日食をうまく活用して、トップシェアの商品を最適売価で、競合店より高いと思われない、できれば安いと思われるような価格できちんと提案しています。これは片方で必要なことです。もう片方、私どもの独自性として、競合店、大手ができない安心・安全の面や、地方の細かい商品の選定といったところはどんどんやれるようにしていきたいと思います。

私どもの大きな目的は、大手レギュラーチェーンと差別化をすることです。そうしないと生き残れないというところで、こだわりや安心・安全、おいしさをより追及する店を、より先鋭的に表現できるようになっていきたいと思います。その比較対象として、NBのトップブランドも置ける形になりました。
いいものを買うお客さまだけを呼びたいわけではなく、日常の中で少しいいものを食べたいと思ったときに提供できるポジショニングにしているので、NBも安く売れるスーパーであり、かつ、日常の中で何かを求めたいときに、それに応えられるスーパーをつくっていきたいと思います。